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2016/6/3更新

教えて先輩! Webコンテンツ制作者を目指すにどうすればいいの?

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第二回 フロントエンドエンジニア T.Nさん

 

これからWebサイトやWebアプリケーション制作に携わりたいと考えている方、必見です!

本連載では、初心者から現役Webコンテンツ制作者になった方の生の声をお届けします。

彼らはどのようにしてWebコンテンツ制作業界に入ったのでしょうか、どんな努力をしてきたのでしょうか。

現在どのような仕事をしているのでしょうか。

第二回目はフロントエンドエンジニア、T.Nさんのインタビューをお届けします。

未経験からフロントエンドエンジニアになった経緯、その仕事内容について掘り下げていきます!

 

お話を伺った方 : T.Nさん(36歳・女性)  ……以下T.N(敬称略)

キャリアパス : 官公庁勤務、民間企業保険会社勤務を経てWebサイト制作会社に転職、フロントエンドエンジニアとしてとして活躍中

 

―T.Nさん、本日はよろしくおねがいします。珍しいキャリアパスのようにお見受けします。このようなキャリアパスを選択した背景には何があったのでしょうか。

T.N : おっしゃるとおりかなり変わったキャリアパスだと思います。

もともとクリエイティブな分野に興味があり、そういったことを学べる専門学校への進学を希望していました。しかしある方から、大学で学ぶべきことを学んでおいたほうがいい、というご助言をいただき、大学に進学しました。大学在学中に大病を患い、人生設計を再考する機会がありました。そして体への負担が少ない職種を選んだ結果、官公庁に入ることになりました。

その後家の事情で実家に戻ることを決めた際に、勤務体系の似ていた保険会社に転職をしました。

ですが、クリエイティブな分野で仕事をしたいという気持ちを捨てられなかったんですね。実家の事情が落ち着いたらクリエイティブな方面での仕事にチャレンジしようと決めました。

実際にそれを試みたのが32歳の時でした。

 

―32歳で全くの異分野に初挑戦したということですか?

T.N : そうですね。他の方にはあまりお勧めしないキャリアパスです(笑)。しんどい転職活動でした。

―クリエイティブな分野、といっても色々あると思うのですが、なぜフロントエンドエンジニアを選択されたのでしょうか。

T.N : 選択肢がそれしかなかった、というのが本当のところですね。もともとはデザイン方面の仕事がしたかったのですが、デザイン系の求人は新卒以外、未経験者を募集しているところがほとんどありませんでした。ポートフォリオを作って10社以上応募したのですが、箸にも棒にも引っかからなかった(笑)。

どうしようかと思っていた時に、転職エージェントから紹介されたのが、今所属している企業でした。求人情報にWeb制作者募集中、と書いていたので、やけになって応募してみたのがきっかけでした。面接のときにマークアップエンジニアをやってみないか、と言われたのです。

 

―マークアップエンジニアというのはどういった仕事をするのでしょうか。

T.N : マークアップエンジニアの仕事の範囲は企業によってまちまちのようですが、おおむねHTMLとCSSでWebサイトの構築をすることが仕事になります。マークアップエンジニアを1年と半年ほど経験して、フロントエンドエンジニアになりました。

 

―フロントエンドエンジニアになると業務内容に変化があるのでしょうか。

T.N : 私の所属している企業では、フロントエンドエンジニアはHTMLとCSSのほかにjQuery、JavaScript、PHP、Ajaxといった言語を扱います。必要があれば他の言語も使用します。マークアップエンジニアのときよりも、動きがあるWebサイト、機能性を持ったWebサイトの構築をします。

 

―多くの言語を使うのですね! 未経験から入った場合、相当な勉強が必要なように思いますが、どのように技術を身に着けていったのでしょうか。

T.N : 確かに大変ですね。研修がある企業だとよかったのですが、私の所属する企業は研修がありませんでした。いきなり実案件をやるんです。最初は割と簡単な作りのサイトの構築のお手伝いから入りました。実作業で知識を吸収させるんです。取り扱っているものが実案件なので、実務に即した技術が身に付きました。また、研修ではなく「仕事」なので緊張感もあり、HTMLとCSSだけであれば半年くらいで基礎は固まったと思います。

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―実際に仕事をしながら覚えるのですね。ご自宅での勉強などもされましたか。

T.N : もちろんしました。実務を通して学習する、ということは、実務で使用しない箇所は学べない、ということです。HTMLにしろ、CSSにしろ、実務で頻繁に使用しない部分というのは実際にあって、時にその知識が必要になるケースがあります。そう言ったケースにも対応できるよう、自宅で学習はしました。

フロントエンドエンジニアになると、自宅での学習は避けては通れないと感じています。おっしゃる通り使用言語も多いですし、応用範囲も多岐にわたります。さらに教えてもらえる機会がマークアップエンジニアの頃よりもぐんと減るので、自分でスキルを開拓するしかないんです。

 

―フロントエンドエンジニアとなって以降、具体的にどのようなお仕事をされていますか?

T.N : プレーンなHTMLとCSSを使ったコーディングもしますが、jQueryやPHPを使用したサイトの制作が増えました。

具体的にはjQueryでサイトに動きをつけたり、プラグインのカスタマイズを行ったりします。上位のフロントエンドエンジニアの中にはプラグイン自体を作っている人もいます。

あと近年多いのはWordpressを使用したサイトの構築ですね。こちらはPHPの知識が必要になります。

 

―複数の言語を使いこなすコツのようなものはありますか?

T.N : うーん、私自身正直使いこなせているとは言えないんですよね(笑)。新米フロントエンドエンジニアだし。私が知りたいくらいですが……。

実は複数の言語を使っている、といっても、文法表記や関数が異なるだけで、基本的な考え方は共通する部分が多いんですよね。HTMLとCSSは少し特殊ですが、他の言語はプログラミング言語、もしくはそれをベースにした言語になります。ですので、プログラミングの考え方をしっかり理解することが大事だと思います。そしてそれを各言語の文法で書けるようにしておく。そこがコツではないかと考えています。

 

―プログラミング思考を磨くことの大切さは他の方へのインタビューでも出ていました。それほどまでに大事なものなのですね。

T.N : そうですね。そこを理解していないといつまでたっても非効率的、冗長なスクリプトを書き続けてしまうと思います。早めに身に着けたほうがいい考え方だと思います。

 

―現在のお仕事でやりがいを感じる点はどこでしょうか

T.N : 難しい機能の実装に成功した時ですね。今は自分のスキルの伸びを感じられる作業にとてもやりがいを感じます。

 

―逆にここがつらい、ということはお仕事上でありますか?

T.N : いっぱいありますが、やはり年齢が若返らないことでしょうか。私は30歳を過ぎてからこの業界に入りました。周りは私よりも若い方がほとんどです。周りの方々の作業スピードや、知識の吸収の速さには驚かされます。もはや私では出せないスピードですね(笑)。

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―なるほど、デザイン系を志望されていたのに、今でもフロントエンドエンジニアのお仕事を続けているのはなぜでしょうか?

T.N : デザイン系の技術は今でも学び続けています。興味はありますね。職場の隣のフロアがデザイナーの方たちのフロアなので、お仕事のやり取りを通して学ばせていただいています。

一方で、半ば成り行きでなったフロントエンドエンジニアを続けているのは、思ったより業務内容が性に合っていたからだと思います。コードを書くことが嫌いじゃなかったんです。むしろ楽しいかな。

技術もどんどん進んでいくので、常に新しいものが仕事として降ってきます。

そういった変化に富んだ業界事情も気に入っています。

 

―今後この業界で活動していくにあたり、大事にしなければならないことはなんでしょうか。

T.N : 難しいですね……。どれも大切な気がします。制作過程が楽しい、というのは紛れもない事実なのですが、自分が楽しんでいるだけではだめだと思います。これは仕事であり、制作物を待っているお客様がいるわけです。ですから、お客様に気に入っていただけるような商品を作れる確かな技術を培い、保持していくことが大事だと思います。

また、変化が速い業界です。常に最新の情報を手に入れ、学んでいく姿勢が欠かせないと感じています。

 

―お客様の存在、確かにそうですね! 最後になりますが、これからWebコンテンツ制作に携わろうとしている方に一言お願いします。

T.N : コードを書くことが好き、Webサイトの構築が楽しい、と思えれば、道は開けると思います。ただ、仕事なので楽しいだけではありません。実際に制作してぶつかる壁や、学び続けなければいけないことの大変さは想像以上かもしれません。そういったこともあわせて考えてみてください。

そして、未経験で始めるならばやっぱり若いうちに始めたほうがいいかな、と思います(笑)。

 

 

学ぶことの大切さ、そして制作現場での心構えを再確認することができました。

業界の最新情報をキャッチするアンテナを張ることも、とても重要なようです。

制作物を待っているお客様の存在を意識する、という考え方は忘れてはいけないものだと強く共感しました。

 

次回はディレクター/デザイナーへのインタビューになります。お楽しみに!

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