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2016/3/1更新

山手線新型車両「E235系」が運転打ち切りになったのはソフトのバグが原因

2015年11月30日に東日本旅客鉄道(JR東日本)が山手線の新型電車「E235系」を運転開始しました。

山手線では新型車両を投入するのは13年ぶりでした。

 

新型車両のデザインを手がけたのは、あのフェラーリのデザインも手掛けた世界的な工業デザイナー奥山清行氏です。

E235系

中吊り広告はすべて液晶ディスプレイ表示になり、開放感のある空間でした。

この斬新な新型車両を多くの鉄道ファンは心待ちにしていました。

しかし、残念なことに営業運転を開始した数時間内に3度のトラブルが勃発し、運転打ち切りとなってしまいました。

なにが問題だったのでしょうか。

 

工業製品の新型機にはトラブルがつきものです。

しかし今回の新型車両E235系の運転打ち切りとなった特徴は、「ソフトウェアの不具合(バグ)」だったということです。

E235系には一般的なIT技術が多数使用されているためにトラブルが頻発したようです。

 

実際どのようなトラブルがあったのかご紹介いたします。

今回のトラブルは全てホームドアが設置されている駅で生じました。

定められた停止位置で停まることが出来ずオーバーランしてしまったのです。

 

この新型車両には「INTEROS(インテロス)」という次世代の電車制御システムが使用されています。

この制御システムによって、プレーキ等の車両制御をしています。

 

電車内は乗客がガラガラで少ない時もあれば、通勤ラッシュで人があふれている時もあります。

このような荷重の変化によってブレーキの効き具合は大きく異なってきます。

新型車両は「INTEROS」によって車内外の状況を収集し、ブレーキを自動制御する仕様でした。

しかし今回、この機能がうまく動作せずオーバーランのトラブルが発生しまったわけです。

 

「INTEROS」の前世代のシステムである「TIMS(ティムス)」では問題なく動作していました。

次世代システムの「INTEROS」で問題が発生したことをJR東日本は問題視しています。

「INTEROS」は「TIMS」をベースに改良したもので、汎用のIT技術が多数採用されています。

 

例えば、機器類にはIPアドレスが割り振られていたり、車外とのデータ通信にはWiMAXが使われていたりします。

そして、INTEROSはTIMSよりも多機能で複雑になりました。

この複雑さが原因で新たなバグが発生し、今回のトラブルにつながった可能性があります。

 

今回のトラブルが発生したE235系は「量産先行車」というもので、車両の量産前に問題点を見つけるための車両です。

 

2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに量産することをJR東日本は目指しています。

是非、その目標を達成して欲しいと思います。

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