電子メールは、もはや私達の生活に欠かせない重要なインフラとなっています。
その登場により、家族や遠くの友人とも手軽に連絡をとることができるようになりました。
近年ではインターネットショッピングやSNSの登録にも利用され、携帯と同じように「一人必ず一つは持っているもの」になりつつあります。
また、従来ではプロバイダーのメールアドレスが一般的でしたが、「Gmail」「Outlook.com」などのWebメールも手軽さを武器にシェアを伸ばしています。
さてこのメールアドレスですが、実際にどのような仕組みで送受信が行われているか、ご存じない方も多いのではないでしょうか?
最近は通信速度の高速化もあり普段なかなか気づかないかもしれませんが、メールは電話とは異なり、どうしても遅れが出るものなのです。
どうしてかというと、
それは1通のメールが届くまでに、複数のサーバーを通過するから。
最低でも、送信側と受信側の2つのサーバーを経由します。
実際には負荷の分散のため、もっと多くのサーバーを通過して、私達の手元に届くのです。
このため、データがサーバーを通過していくために「送ってもすぐ着かない」あるいは「不具合で届かなかった」ということが起こるというわけです。
「すぐ届いたり、届かなかったりする」というばらつきがあるのも、メールサーバーが一定以上の負荷を受けると、一時的に受信したメールをプールしておき、時間を置いてから転送処理を行うから起こることだったんです。
さて、日頃メールサービスを使う上で避けては通れないものがあります。
そう、みなさんも一度は受け取ったことがあるであろう、迷惑メールです。
「でも、昔はパソコンのメールにたくさん届いていたけど、最近は迷惑メールってあまり来なくなったよね?」とお感じの方もいるでしょう。
実際、総務省が発表したデータによると、2014年には、5年前に比べて10%以上も減ったというデータもあるくらいです。
なぜこのような事が起こったのでしょうか?
カギを握るのは、メールの「送信元ドメイン認証技術」の普及です。
送信元のメールアドレスやドメインは簡単に書き換えることができるので、偽装なども横行し、迷惑メールがはびこる原因の一つでした。
しかし、SPFやDKIMといった送信元ドメイン認証技術の普及により、あらかじめ怪しい差し出し人からのメールを弾くことができるようになりました。
簡単にいえば、SPFはIPアドレス、DKIMは電子証明書を用いて「私は安全な送信者ですよ」と登録しておくという仕組みです。
より強固なDKIMは導入が手間なことからなかなか普及率が上昇していませんでしたが、徐々に浸透してきているという調査結果も出ています。
我々の生活に欠かせない、メール。
その仕組の裏側では、今日もより快適な環境を作るために開発が進められているんですね。
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